マウナ・ケア山:火山で踊る

燃えるような起源と現地の人々との近い関係が感じられる山、宇宙への入り口。ハワイ州最標高のマウナ・ケア標高は4,207.3メートル。ホワイトマウンテンを意味する名称は、多くの場合雪で覆われ、雲の上に突き出る山頂に因んで名付けられました。ネイティヴ・ハワイアンは雪の女神Poli’ahuの聖地として山を大切にしています。最近では13個の望遠鏡が設置され、宇宙の可視限界に挑戦しています。海岸沿いの街から眺める山は偉大であり、山頂を征服しようとする人々に敬意を感じます。

1964年にマウナ・ケア山頂にかけて道路が建設され、マウナ・ケア・サミット・ロードと名付けられました。かつては丸一日以上かかった山頂への道も比較的楽になったと言えるでしょう。簡単とは言っても、四駆の自動車でという意味ですが。人間が漕ぐ2輪のバイクではそう簡単にはいきません。試してみるのみです。

レンタカーを停めた場所から13個の望遠鏡がある雲の上に聳える山頂までは、22キロと2,171メートルあります。ペダルを踏み続けるほかありません。朝早く、晴天で20度前後の気温、良い条件が揃いました。数日前に2743メートル地点上で予想外の雪が積もり、道路が閉鎖されていました。前日に天気予報チェックをするのを忘れてしまったため、同じような状況にならないことを祈っていました。

ビジターセンターまでの9.5キロの距離は勾配は厳しいと言うほどでもなく、サドルから立ち上がる必要もなくスムースに進みました。ビジターセンターに立ち寄り、詳細を記入して管理者に提出する必要があります。氏名、目的地は山頂。言うのは簡単ですが、実行するのは楽ではありません。センターへの到着時間は午前8時半、終了時間は自分の脚と肺の調子によります。

6.4キロのラフな地表、6.4キロの舗装道路を進めば山頂です。ここからが本番。急勾配の月のような表面を走るには、マウンテンバイクに交換する必要がありますが、交換用バイクを乗せたサポート車はいず、同じバイクで続けるほかありません。FireflyオールロードバイクにはRene Herse 38mmノビータイヤと34tカセットを搭載しており、これからの走行は不可能ではないでしょう。念のため歩行で進まざるを得ない場合のためにマウンテンバイクシューズを着用しています。多くのブログで読んだように、ラフな月面地表は急勾配で凹凸が多く、歩くしかない場合もありました。

この地点では雲が完全に消え、素晴らしい非現実的な世界が広がっています。ラフな地表が終わり、ここからは舗装道路で最後の6.4キロを進むのだと安心しましたが、確かに道路は滑らかですが勾配は18-20%となりました。バイクを漕ぐことは諦め、凄まじい勾配から救いを求めるように立ち止まりながら進みます。疲労感が増し、敗北感さえ漂ってきますが、先方に望遠鏡が見え始め終わりが近いことが分かります。山頂に到着したのです。

マウナ・ケア山より高い、標高4,724.4メートルのペルーのコルディエラ・ブランカ山脈を含む多くの高山を登ってきましたが、天国へ続いている道を走っているような感覚は初めてです。

ネイティヴ・ハワイアンがマウナ・ケア山を聖なる地とする理由が分かる気がします。特別な場所へとライドしたことを光栄に思います。

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