SHAKE IT UP #2 « I時間 - 5キロ »

春のライドは、日が長い季節の夜のライドが始まる合図でもあります。仕事の後ビブショーツとジャージを身につけ、太陽がまだ出ているうちに50キロのループライドに出発。

しかし状況は大きく変化し、ライドが制限されていた時間が長かったためにライドの記憶は自由の記憶と混じり合い、異なるペースとテイストが感じられます。最近ではできるだけ短くシャープなライドを日中に行います。おすすめのショートクライムを紹介しましょう。

モナコへ続く退屈なロードの中で比較的楽しめるバス・コルニッシュでのスピンライド。シャープな良いペースで走り、脚が気持ちよく痺れています。光り輝く海の眺めに飽きることはなく、興奮が沸き立ってくるのが感じられます。Beaulieuに入ると、Casinoパームツリーのシルエットが目に入り、バイクがお伽話の馬車に変身したような素晴らしい旅へと変えてくれます。

気を取られていると、突然2キロのミドル・コーニッシュへ向かうクライムへ突入。そこから続くライドは他に類を見ないものです。

ミドル・コーニッシュを走り、車が通っていることに驚きます。数百メートル先で小さなロードを右折し、車道から離れます。

2台の車がすれ違うことが不可能な狭いルートは家の間を通ります。走り始めたばかりの18キロ地点で、バイクコンピューターが急勾配が近づいていることを知らせます。100メートル間に勾配が14%から24%へと増す厳しいルートです。ギアがもう一つあれば、と夢見ながら持っている全てを使い、決して楽にはならないライドを進めます。

心拍は経験のないくらいの速さとなり、ペースが落ちます。勾配がキツすぎるためにバイクは後進したがり、サイドからサイドへとジグザグに進むほかありません。比較的「フラット」な勾配13%になると多少楽になり、グランド・コーニッシュまでこのように続くのだろうかと期待をよせ前を見ると、勾配19%の道が壁のように現れます。最初のセクションよりも距離が短いのが救いですが、メートルや勾配を走る前に計算しない方が良いのだということを再確認します。

感覚を取り戻すのに1キロのライドが必要です。先ほど横を通り過ぎた、顔に笑みを浮かべた男性ライダーは同じルートを通ってきたとは思えません。そうであるはずがありません!気持ちの良い冷えた空気が漂い、降下する瞬間が近いことを知らせています。アドレナリンが溢れ、走り慣れた下降ライドを始めます。

港に着くと数人のダイバーがボートから荷物を出しており、「こんにちは!」と声を掛け合います。何かに夢中になる人々との間には、多くの言葉は要りません。

より遠くへ