2022年ツール・ド・フランス:リトル・ブークル

ツール・ド・フランスも既に2週間目を迎え、グランド・ブークルへの熱狂も高まっています。過去2年間は新型コロナウイルスの影響でレースの大きな部分である社交文化が根絶されてしまいましたが、今年はサポーター達とパーティームードで賑わっています。

オート=サヴォワ県の中心モルジヌでのライダー休息日を活用し、翌日のステージ10(モルジヌ〜ムジェーヴ)ルートの大部分をたどり、有名なコル・ド・ジュ・プラーヌを通ってスタート地点へと戻る、友人や同僚のを集めたグループライド「リトル・ブークル」を開催しました。簡単ではないルートですが、山が必ず含まれる同地域でのライドを試す価値はあります。3000メートルのクライムを含む140キロのルート。

朝8時30分のモルジヌ広場は既に太陽が上がり、山々の気温も高くなっていくのが分かります。2年前にツール・ド・フランスに参加した元プロライダージェローム・カズン氏を含む、6カ国以上からの20名のライダーが集まりました。

ジェローム・カズン氏は私たちの贅沢すぎるライドリーダーとなり、グループ写真を撮ってからジュネーブ湖へ向かって30キロを下降。予想以上に涼しく、モルジヌのDranse渓谷を速いスピードで進みます。

7時間での完走が予想されており、風景を楽しみながらお互いの事を知り合うペースで進行。ルートに含まれるコル・ド・ジュ・プラーヌは、もはや神格化されるような存在である事を皆が知っています。気温28度の暑い時間帯、午後2時頃に通る予定。

クライム始め数キロは平均勾配9%、間違いなく厳しいライドです。サイクリング界で最も難しい山ルートの一つと言われるジュ・プラーヌは、ツール・ド・フランスの悪名高き場所でもあります。

2000年にランス・アームストロングがマウンテンステージで大活躍したのが思い出されます。ジュ・プラーヌのステージでは、リシャール・ヴィランクが信じがたいペースで進み、筋肉が糖分を使い果たしてしまう低血糖症としても知られる、恐ろしい「bonk」または「craving」をアームストロングに体験させました。

ギフトやハリボも無し、テキサス出身者らしい健康的食事も無し。アームストロングは限界を迎え、ヤン・ウルリッヒは棄権、ロベルト・エラスとリシャール・ヴィランクがジュ・プラーヌで並びます。最後のコーナーでエラスが転倒し、ヴィランクが先頭。モルジヌのフランス人ファンは大喜びでした、

2022年現在の私達は、ランス・アームストロングのような苦しみを体験することはありません。自分達のペースに合わせてクライムをしています。しかし、元プロライダージェローム・カズン氏のペースに合わせるのは簡単ではありません。

山頂に近づくにつれ、カズン氏は紳士的に他のライダーを励まします。そしてツール・ド・フランスの偉大なハイライトの一つである山での素晴らしい1日の最後に相応しい、モルジヌへの速く狂気的な下降。

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