南山 – ソウル:世界の山々#11
現代の街並みが形成される前の朝鮮王朝時代、ソウルは外壁とゲートに囲まれていました。ソウルの南境界は南山、北の境界は北岳山でした。これらの山々は、外からの侵入から守る存在でした。
朝鮮戦争により、多くの建築物が破壊されましたが、外壁が今での残されている場所があります。昔の要塞を再築すべく街全体が勢力を注ぎ、山々を都会の中心に立つ歴史的な自然公園として設立しました。
韓国は山に囲まれており、厳しいサイクリングルートが多く存在します。ソウルに住む人々にとっては、街を離れてこれらのルートを探索することはそれほど簡単なことではありません。
南山と北岳山は比較的身近なルートです。標高約300メートルですが、2つの山と間にある小さな丘を合わせると、約1000メートルほどの標高を得ることができます。全て市内で達成できることも魅力です。この便利さが、2つの山が韓国でのStravaルートとして最も人気のある理由と言えるでしょう。
通常サイクリストは漢江の南側、盤浦大橋付近からスタートします。南山と北岳山へ向かうサイクリスト達のミーティングスポットとして有名な場所です。盤浦大橋は2層になっており、下層は北側までバイクレーンが続き、川岸のルートまでそのまま辿り着くことができます。
バイクレーンを走り、漢江を渡った後にはサイクリスト達は多少不安を感じるかもしれません。ものすごい交通量のロードを通り過ぎ北へ向かうことができれば、南山のエントランスが見えてきます。山頂にはNソウルタワーがあります。
Nソウルタワーへの道はバイクと天然ガスを利用したツアーバスのみ走行可能となっています。安定した4〜5%勾配で、話しながらでも登れるスロープです。途中で美しい景色を眺めながら休憩するスポットもあります。
降下しソウル中心にある光化門広場へと向かいます。ここには共和国になる前の最後の朝鮮王朝王宮である景福宮のゲートがあります。王宮の周りを走り、現在の大統領が居住する青瓦台を通過し、2つ目のクライムである北岳山へと向かいます。
山頂へ向かうロードは北岳山スカイウェイと呼ばれており、公共交通を利用することができるため、様々な自動車等が通過します。比較的長めのクライムであり、国内の他エリアまで行くことなくクライム距離を獲得することができます。山頂に到着後、ほとんどのソウルサイクリスト達は同じルートをスタート地点まで戻ります。
これらの山々は韓国で最も高いわけでも、景色が素晴らしいわけでもありませんが、最も人気があることは間違いありません。多忙なサイクリスト達に便利なロケーションであることも理由の1つでしょう。ソウルのサイクリストは、世界中の都心に住むサイクリストのように毎日忙しいスケジュールで働いています。これらの山々は、タイトな時間の中で1000メートルのクライムを達成できる場所なのです。中には日々の通勤にクライム走行を取り入れるライダーもいます。
世界中のアイコニックなクライムについては、our 世界の山々シリーズでお読みください。
脚注: 写真&文:Soon Yoon