今月のライド:アルプ=マリティームツアー

公式名「Tour des Alpes Maritimes et du Var」、オー・ヴァールのツアーは1969年から継続しています。毎年行われるレースの有名な勝者はレイモン・プリドール。「Pou-Pou」のニックネームで知られる1960〜70年代のアイコン的な存在であり、スプリングレースやイタリアで開催されたミラノ〜サンレモレース、ベルギーのワンデーレースであるフレッシュ・ワロンヌ、ステージレースのパリ〜ニースで2回の優勝を果たしています。

ヴァールのツアーはパリ〜ニースレースと比べるとウォームアップのようなものに捉えられがちで、「太陽へのレース」(またはビーチへのレース)とも言われています。ヒルクライマーや野生のヤギ達には早い段階でのテストであり、オフシーズンにどれだけトレーニングをしてきたがハッキリと出る3つの変化に富んだステージがあります。近年の勝者にはコロンビア出身のナイロ・キンタナ、ブルゴーニュ出身のトップクライマーであるティボー・ピノティボーがいます。

ROTM FEB 2022
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競うことが目的ではないため、ここでペースを落としましょう。アマチュアサイクリスト達にとっての美しいリヴィエラを発見するために走るのです。

今月のライドでは、ヴィルフランシュ=シュル=メールからブロサスクへと続く、アルプ=マリティームのツアー第3ステージ(ナイロ・キンタナが先週日曜に勝利を収めた)のルートを走ります。2300メートルのクライムを含む113キロの道のり。プロムナードの散歩とは少し違うでしょう。

美しい春の朝、足と腕をしっかりとカバーし、サングラスをかけてヴィルフランシュの古い街へと出発。海岸沿いの風を感じながら、安定したゆったりとしたペースで進み、神秘的なエズ峠に着くと心拍数が上がってきます。

山頂まで30分以内に到達出来れば、体力に自信があるか、見た目より楽だった可能性があるでしょう。カップ=フェラ半島と海を見渡し、地中海の空気を吸い込みながら降下で新鮮な回復タイムを過ごすことができます。

ROTM FEB 2022
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ラ・テュルビーは、リヴィエラのライダー達がビドンの水を満たすために立ち止まるクロスロードです。石畳の道のモザイクに馴染むようなアイコニックな噴水、オリーブの木、落ち着いたヒルサイドの建物。ペイユ村は心地よく、背景の山頂には雪が積もっています。ティエリ・アンリとキリアン・エムバペ・ロタンが元雇用主である、リーグ・アンに所属するプロサッカークラブ、ASモナコのトレーニンググラウンドが見えるかもしれません。ヒルサイドの緑の芝生がヒルサイドに広がります。

ペイユからの下降では厳しいスイッチバックを通り、オリーブの木々を抜け、教会が立つヒルサイドの絶景が広がるフィニッシュライン、ブロサスクを走ります。

黄色に輝くミモザが色のアクセントを添えている、コート・ダジュール海岸の由来でもある紺碧の青を堪能。

そしてもう一つのクライム、全長17キロ、勾配平均2.3%、9%の厳しい傾斜が数箇所あるニース峠。峠には美しいコミューン、ベール=レ=ザルプがあり、オリーブの木はクリの木に植え替えられています。コンテへ向かう肌寒い下降後には、Lefebvreベーカリーに立ち寄り腹ごしらえ。ルートの最もタフなセクションはこれからです。

ROTM FEB 2022
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サン・ロック峠はアルプ=マリティームの有名なクライムではありませんが、悪夢のように厳しいライドです。滑らかで比較的楽な第一セクションから急勾配でタフな第2セクションへと、まるで二重人格のように前触れもなく変化するのです。

初めの半分はコート・ダジュールで最も美しいヒルサイドの村の一つであり、かつて村人達が悪魔の尻尾を敷石に貼り付けて捕らえたという逸話のあるコアラーズで終わります。コアラーズを出ると、80キロ走行後の脚を試すかのような12%勾配が待ち受けており、まるで自分の尻尾が地面に引きずられているような気さえするでしょう。

海面レベルから2000メートル上の山頂に辿り着くと、テュリニ峠へ15キロ脚を伸ばしたくなるライダーもいるでしょう。しかし、左折しレスカレーヌへと下降することに決心。渓谷に向けてスピードを出す前にモナコ・ラリーのスイッチバックを楽しみ、ブロサスクでのコーヒーとペイストリーを味わいに。

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