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Fête des Zinzins #2

Zinzin :個性的で奇妙、少し風変わり。

Brevet des Zinzinsには3つのチャレンジがあります。テュリニ峠の両サイドを1日で登ること。第2弾のFête des Zinzinsはグループでのブルベで、全く違うトリロジーでした。

Fête des Zinzins #2

Laura Barralisは走行し始めて2年しか経っていず、まさにバイクのラビットホールに落ちそうになっています。Fête des Zinzinsの前日に不運が起こりました。Promenade des Anglaisで若い女の子と衝突する事故に遭い、ガードレールを越えて落ちてしまったのです。顎から爪先まで擦り傷を負い、体の左側にあざや打ち身ができました。言い換えれば、彼女の人生最大のライドを諦めるほどの怪我ではなかったということです。

Fête des Zinzins #2

Chris Grulichはパリ生まれ、ルイジアナ育ち、ニース拠点の若者です。Lauraのように新しく熱心なライダーとして加わりました。ニースに移り住む前はITの学生であり、ファッションモデルをしながらバイクメッセンジャーとしてパリで働いていました。一見バラバラのようですが、一貫して目立つ内容ではあります。アルプ=マリティームを制覇し、1週間前にはthe Col de la Bonette より高い標高4600メートルの190キロの距離をMercantour GranFondoで完走しました。Zinzinsは比べると楽だと言えるでしょう。グラベルにかかり、最初のクライム後のソスペルまでの下降がやってくるまでは。

Fête des Zinzins #2

James Haydenは、耐久性を試される長距離走行では名の知れた存在です。「限界に挑戦」をマントラにする彼にとっては、Fête des ZinzinsはSilk Road Mountain Raceに向けた最適なトレーニング走行だと言えるでしょう。しかし不運なことに、3週間前に参加したHighland Trail 550で川を渡る際に前輪が岩にぶつかり、レールの上に振り飛ばされ、右膝を激しく打ってしまったのです。

Fête des Zinzins #2

結果として、Jamesは膝を負傷し、怪我をした当初は深刻だと思われませんでしたが、イベント後の検診で想像以上のダメージがあることが分かりました。しかし、彼は20人以上のZinzinsと並んでブルベに挑戦することを決めました。L’Escarène、Sospel、 Bollène-Vésubie parcoursの記録更新を密かに期待していましたが、LucéramとPeïra-Cavaを通る27キロの登りを進むにつれ、本調子でないことを感じました。Jamesはサポートカーから他のライダーが長距離走行を試すのを見学することにしました。

Fête des Zinzins #2

Lauraは新しいライダーではありますが、経験を積むスピードは早いと言えます。最初のクライムではエネルギー温存を優先し、速いライダーに惑わされないようにします。走行について話すにつれ、彼女がいかに真剣であるかが分かってきました。2週間前に両親と友人を交えて、Bédoin とMalaucène を通るヴァントゥの2サイドでクライム走行をしました。去年の夏には彼女の両親と各2000メートルを超えるCayolle、Allos、Col des Champsを含むLes Trois Colsを完走しました。遺伝的にも優れたライダーであるようです。Lauraにとって、仲間と走りエネルギーを与え合うことが大切です。ソスペルからの走行では、グループから離れないことが目標でした。最後の森林内の5キロ地点まで目標を保ちましたが、勾配が険しくなり前輪に支障が出て、リズムとパワーが崩れてしまいました。しかし精神科看護婦である彼女は、厳しい条件下で精神的なバランスをいかに保つかを知っていると言えるでしょう。

Fête des Zinzins #2

一方、Chrisは異なる状況に面していました。去年のFête des Zinzins を完走したIvanと共に最初のクライムを走りました。Hotel des Trois Valéesでスタンプを得て、若々しい熱気にあふれています。その後彼らは下降し始めました。4キロほど降りた地点で行われていた工事の影響で、通常よりラフなグラベルロードを走ることになります。ファッショナブルな感性とパリで過ごした背景から、ブルートーンのカフェ・ドゥ・シクリステのキットを選んで身につけています。トワル・ド・ジュイデザインが魅力的なヴァランティーヌは、ニューオリンズにある祖母のベッドルームを彷彿させます。残念ながら、ジャージマリネット ビブショーツ&タイツ、今ではオリジナルより通気性のよい状態となっています。しかし、もっと悪条件であったかもしれません。Chrisの目標は、どんな条件であっても完走すること。真のZinzinと言えるでしょう。

Fête des Zinzins #2

他のZinzinライダーはソスペル到着を記録し、2つ目の上りの準備を進めています。Pierreは毎週末、アルプ=マリティーム周辺の激しい走行を行っており、今回のライドは年間Strava統計に加えるもう1つの走行です。Zinzin を2度完走したNicoの隣でいかにも簡単に走っています。マルセイユからのオダックスライダーMatthieuは、パートナーであり新しい長距離ライダーのSimonの隣で素晴らしい速さでクライム走行しています。Thierry とValentinは、去年完走できなかった記録を塗りかえるべく、Lauraと話すことで100メートル勾配の厳しさを和らげながら、
安定したスピードで進んでいます。


Fête des Zinzins #2

2つ目のソスペルからのクライムが最も厳しく、食べ物と冷たいオレンジーナドリンクが山頂に準備されています(ブルベカードにスタンプが押されてからですが)。Zinzin精神は濃く、ソスペルのブラッサリーから怪我の手当てを受けながら走るChrisを心配する声が聞こえます。厳しいサイドの走行、ひどく負傷した肘、多くの擦り傷に加え日中の暑さは、決して楽な経験ではないでしょう。しかし、自由な参加型ブルベです。先頭のライダー達は3つ目の最終地点へと向かいます。

Fête des Zinzins #2

Bollène-Vèsubieでは、スタンプをブルベカードに押すカフェやブラッサリーが一件も開いていません。Matthieuは長距離経験を生かし、タウンホールにどうにか入りスタンプをもらい、彼とSimonは唯一のスタンプ率100%のライダーとなりました。LauraはValentinとリズムを合わせます。風を切って走り続けます。まるでアリのようにライダー達が散らばって走行しています。

3分の2ほど登ると、ブルーとホワイトの稲妻がヒルを降りてきました。Chrisとその日のライドパートナーIvanです。ほぼ完走しかけているグループを見るのは気が重いライダーもいるかもしれませんが、Chrisはエネルギーと期待にあふれて3つ目のサイドを完走しようとしています。


Fête des Zinzins #2

Lauraは山頂に辿り着き、噴水付近でライダー達と抱き合ったりハイファイブをしたりしています。苦しみを乗り越えた数時間後、努力のサインが現れます。全身が震えだしたのです。興奮も関係していますが、おそらく疲労が原因です。しかし、満面の笑顔を浮かべて彼女は狂喜していると言えるでしょう。Julienは去年の2サイド完走の記録を更新しました。塩分のある汗がブラックジャージをゼブラ模様にしています。3つ目の山頂へと登る彼の努力は素晴らしいものでした。


Fête des Zinzins #2

ブルベカードはいっぱいになりました(少なくともSimonとMatthieuのカードは)が、まだ終わりではありません。Zinzin精神を保つべく、ニースまでの50キロ走行が残っています。グループは待ちに待ったピザパーティーをするためにカフェへ向かいます。これほど素晴らしいパーティーもないでしょう。一日のストーリーが交わされ、ビールを飲みながら新しいチャレンジが話し合われます。Zinzinライダーにとっては、次のステップが全てなのです。Lauraはボネット峠の両サイドを1日で登る経験をしたいと思っています。誰かが7 Majeursの話をします。限界はないのです。

バイクの音で会話が止まります。ChrisとIvanが到着したのです。あたりは拍手喝采となり、皆Chrisを抱きしめたいと思いますが、怪我のためそれは無理そうです。擦り傷で覆われた肩を眺め、3つ目のクライム走行中に蜂に刺された箇所を数えます。病院に行くべきだろうと思いながら、アルコール度数8%のLa Chouffeビールを手にします。テュリニ峠のスロープと同じように、痛みも忘れる効果があるかもしれません。グループ全員が揃い、来年のFêteの話も出ています。テュリニの規模が拡大するツール・ド・フランスは3週間後です。数人のペロトンも参加してくれるかもしれません。

写真: Ian S Walton


Fête des Zinzins #2