Zinzins de Turiniブルベの賛辞
選ばれたZinzins de Turiniブルベ完走者への賛辞。自分の身体と強い意志、決断力のみで成し遂げたサイクリストたち。
テュリニ峠を3ルートで完走する滞在能力と意力を兼ね備えているサイクリストたち。山の各面を制覇するのは人間業ではありません。
サイクリングの挑戦となると我を忘れて没頭するサイクリスト総勢、キーラン、 バレンティン、サイフ、ピエール、 サニー、ティエリー、 マシュー、ニコ・エ・デニス。執念、好奇心、大胆さ、そしてフランス語で「zinzin」と呼ばれる少しの狂気を持ち合わせた面々。
カフェから走行1時間の場所にあるL'Escarèneの Pan d'Aqui、橋の近くのブーランジェリーに最初の認証スタンプ管理場があります。パンは焼きあがり、皆の心配はこの日の終わりに脚がどんな状態になっているかだけ。「もちろん大丈夫さ」と余裕のメンバー。
古くからあるゲームが最良のゲーム。カフェ・ドゥ・シクリステでも1番人気のLucéramルート。Lucéram経由のL'Escarèneから続くファーストクライムが27キロのルートは、急がずに山のリズムに合わせて進むのがコツ。
Pas de l'EscousとBaisse de la Cabanetteの間で急カーブが始まります。「pas」(ステップ)、次に「baisse」(ドロップ)を経て峠に到着。山のピーク、ポイント、パッセージの3つの用語を区別するために細部にわたったリサーチと討論が行われています。複雑に入り組んだ地殻と迷路のようなロード、点在する谷の村がテュリニ峠の魅力です
このブルベで再度レースを行うには、ちょっとした狂気が必要です。このグループは強い決意を持ってペースを保ちながら望みます。
ピエール、マシュー、ニコが先頭を走り、ティエリーとデニスは過去の走行について思いを馳せ、ミシュラン兄弟のバレンティンとサニーはお互いのジャージを褒め合い、初めてこの場所を訪れるサイフとイヴァンは環境の美しさを堪能しています。テュリニ峠走行の良いスタートです。
Peïra-Cavaを通過し、気温が低い山の北側に位置するアルプスの森に突入。先に続く走行の厳しさを思うと、印象の薄い到着地。Hotel Les Chamoisに併設されたピンボールマシーンコレクションが並ぶバー内で押されたカードのイエローとブラックのスタンプが、この地点での達成度を表しています。
ヒルクライムに焦点を当てて走行をすると、それ以外の要素について忘れがちです。Sospelまでは約45分かかり、長く複雑な南側のルートを走る必要があります。集中力と努力が要するブルベにおいて大切な部分。Notre dame de Menaourの下に続くヘアピンカーブに向けてグループは進みます。
マウンテンバイクの町として知られるSospel。今日のメインイベントとなるのはzinzinです。
デニスが少し熱っぽいようです。気圧が高いのも関係していますが、新しい家族が加わったばかりで疲れが出てきたのでしょう。水に浸かることが唯一の解決策。
飲料水と食料の補給、カードのスタンプを終え、グループは次の勾配へと急ぎます。4分の1より、3分の2を終えたほうが良いのは明らかですから。
Sospelから始まる24キロのヒルクライムが最も厳しいルートであることは、大抵最後に分かります。Moulinet の後に続くラフなロードであるGorge du Piaonのヒート、山頂の8%を占める森林の容赦ない道のりが大きなチャレンジとなります。
森林の木々が視界を遮り、勾配が緩まることがないため、スイッチバック回数を確認することは困難です。疲労感が判断力を鈍らせ、峠は視界に入ってきません。
なぜ人間は自らの限界を試そうとするのでしょうか?自分自身もしくは環境をコントロールするため?ある種の自己破壊行為?それとも刺激を求めて?
限界を試さない限り、限界を知ることはない、という論理(そして恐怖の欠如)があります。
参加者によっては、2ルートの完走がこの日の限界でした。日時と天候、身体的準備さえ整えば、いつでも走行可能であることがオープンブルベの長所です。番号や参加費もありません。昔ながらの方法でカードにスタンプを押し、シンプルで正当に行われるマウンテン走行です。
信じがたいほどフレッシュで活力が漲っているピエール、マシュー、ニコが次の走行を楽しみにしている間に、第3の最終走行セレクションが行われました。
「世界最高」とサイクリング雑誌が評する第3ルート。一定したサーフェイスに予想可能な半径上のカーブ、ロードの大半は視界が開けており、思い切りスピードを上げることができます。
テュリニの3つの主要町の中で最も静かな町、La Bollène-Vesubie。Vesubie谷から2キロ上に位置するこの町に滞在して川沿いを走り、海辺に赴くと素敵だろうと思わざるを得ない場所です。
しかし、ブルベカードの6分の5は終えている状態。今中断することは許されません。気を取り直してペダルを踏み、残り1時間から1時間15分あまり残された道のりを急ぎます。
ライダー達はスムーズな走行をみせます。この段階ではリズムをつかみ、身体も精神もマウンテン走行を受け入れ、ヒルクライムに全力を注ぎます。
山頂付近では、ニコとマシューは競争を楽しむようなエネルギーさえ感じられます。ピエールが数秒遅れをとりますが、コンタドールスタイルのピストルを撃つ真似を笑顔で見せ、フィニッシュラインを通る喜びを表します。
ライダー記録
Zinzins de Turiniブルベに関する詳細は こちらを ご覧ください
Komootファイルは こちらを ご覧ください
脚注:写真:Matt Wragg